NZのインフレ率が6%に。下落傾向も高止まりは続く
本日、ニュージーランドの消費者物価指数(4月ー6月期のCPI)が発表され、前年同期(+7.3%)からは-1.3%、今年前期(+6.7%)との比較では-0.7%低くなりました。
しかし、+6.0%という数値は決して低いとは言えません。
NZの消費者物価指数は649項目にのぼる商品やサービスの価格変化をチェックして算出されます。
物価を引き上げている主な要因はいったい何なのでしょうか。
価格上昇率が特に高かったのは「食品」です。
いくつか代表的な食品価格を前年同期と比べてみます。
サツマイモ1kg $4.11→$11.18 (+172%/972円)
トマト1kg $7.82→$15.14 (+94%/1,317円)
たまご12個 $5.13→$8.58 (+67%/746円)
かぼちゃ1kg $3.43→$5.15 (+50%/448円)
アボカド1kg $9.39→$13.67 (+46%/1,189円)
スーパーの食品価格が高い要因については以前の記事にも書きましたが、1年前と比べてこんなにも上がってしまったのかと改めて驚いてしまいます。
いい加減うんざりにしてきたこの物価高。いつになったら落ち着くのでしょうか。
物価上昇(インフレ)を抑えるには経済活動(需要)を減退させる必要があります。
そのためにNZ準備銀行は金利をグイグイと引き上げてきました。
現在の政策金利は5.50%と先進国の中では最も高い水準になっています。
<先進各国の政策金利>
NZ 5.50%
米国 5.0〜5.25%
英国 5.0%
ユーロ 4.0%
豪州 4.10%
カナダ 5.0%
日本 -0.10%
金利が高いからお金は使わず銀行に預けた方がたくさん利子がついて良いよ、中央銀行は消費者にそうメッセージを送っているわけです。
その甲斐あってインフレ率はピークを越え、徐々に下がってきました。
しかし、当局が目指している水準(インフレ率3%以下)に戻るのは来年から再来年になると予想されています。
そうなるとNZの金利は当面高い状態を維持しなくてはならず、金利が低い日本との金利差は乖離したままになります。
日本が利上げに動けば円高になるかもしれませんが日銀は低金利政策を維持する方針です。
なのでNZドルは円に対しては高い状態が続くと考えるのが自然です。
今回の発表は日本からNZへ旅行や留学、ワーキングホリデーなどで渡航を計画される方にとっては特段良いニュースとはなりませんでした。
しかし、少なくともインフレ率が下落傾向になっていることは明確になりました。
対円でのNZドル水準についてもピークに近く、歴史的にもNZ$1=90円を超えるとその後下落に転換しています。
これから急激な円安NZドル高が進行する可能性は高くなく、いずれ為替は円高方向に動き出すでしょう。
ポジティブに考えて締めたいと思います。
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