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NZ企業が週休3日に成功!職場依存の日本人が見習うべきポイントとは!


少し前に、ニュージーランドのある企業が「週休3日」を試したというニュースがありました。

この取り組みを実施したのは、パーペチュアル・ガーディアン社(以下PG社)。

遺書の作成や遺産管理のサービスを提供している会社で、従業員は240人を超えます。

ニュージーランドでは夕方5時になると閉店してしまうお店が少なくありません。

日本で長年働いてきた私からすると、NZの平均的な労働時間はただでさえ短いように感じており、今回のPG社の取り組みには驚きました。

そう感じたのはこの会社の従業員も同じようです。

下の動画では(50秒くらいから)、PG社の社長が「週4日勤務にして給料はそのまま」と発表します。


しかし、従業員は社長が冗談を言っているのだと思って笑い出します。

その笑いが起こっている中で、社長は真顔で「仕事の効率(生産性)が下がるのではなく、むしろ上がることを期待している」と集まった従業員に語りかけます。

このあと、2ヶ月間に及ぶトライアルが実行され、従業員からはポジティブなことばかりではなくネガティブな意見も出ました。

1日休みが増えれば、同じ仕事量を少ない時間でこなさなくてはならないので、時間に追われるというストレスが発生します。

終わらない仕事を残業でこなしたり、家で仕事をする人もいました。

また「そもそも週3日は休めなかった」という従業員も中にはいたそうです。

その一方で、この取り組みを「働く日を1日減らすプロジェクト」ととらえた従業員たちは、発想の転換をして、工夫をこらし、仕事のやり方を改善したとのこと。


そうした人たちの意見に多かったのは、下記のようなものでした。

・SNSなど仕事以外のことを勤務中にする時間が減った。

・生産性の高い仕事の仕方が身についた。

・休む人の仕事をチームでカバーするために情報共有を行い、同僚との信頼感が増した。

・精神的ストレスの負担が減り、仕事に向かう活力が上がった。

外部研究者の報告によると、週休3日制はポジティブな効果の方が全体的に多くを占め、社長は週休三日制の継続を取締役会で提案したそうです。

こんなことが日本の一般的な会社で実現できるかな、と思いを巡らせてみましたが、個人的な意見としては、難しいのではないかと思います。

私は、正社員として、いくつもの職場で働いた経験があります。

その中で「会社に長時間いること」を強いられるのが最もストレスに感じました。

その日の仕事が片付いても上司や同僚の目があるため、定時で帰るには勇気が必要です。

「帰宅してもOK」な雰囲気になるまで会社で時間を潰すのは、苦痛以外の何物でもありません。

そんな社風に疑問を持っていた同僚は他にもいましたが、私は我慢の限界だったので転職を決断しました。


しかし、次の職場で上司から言われた言葉は「忙しい日の有給休暇取得は認められない」でした。

忙しいなら、PG社のようにチームでカバーしたり、仕事のやり方を工夫することで対応できるはずなのに「初めからできない」と結論づけられたら取りつく島もありません。

昨年、月末金曜日に通常より早く帰宅するキャンペーン「プレミアムフライデー」が日本で始まりました。

テレビでは、早く帰りたくないお父さんたちが「いつもの帰宅時間」まで時間を潰す様子を放送しています。

家庭ではなく、仕事場に自分の居場所を求める日本人(特に男性)は多いと感じています。

定着したとは思えないプレミアムフライデーのあとはシャイニングマンデー?だそうです。

日本人を早く帰宅させるには、役所が音頭を取ったり、仕事の効率をあげることだけでは不十分かもしれません。

あくまで個人的意見ですが、不必要に職場に長時間とどまる社員(特に管理職の方)は、家族ともっと仲良くしてみてはどうかと思います。

家にちゃんと居場所があり、家族と楽しく過ごせるならば、一刻も早く帰宅したいと仕事を頑張るのではないかと思うのです。

実際、週休3日が成功したPG社では、家族、子供、友人と過ごす時間が増えて生活の満足度が上がったという人が多数おりました。


日本でよく言われる働き方改革の答えは仕事の中にはなく、むしろ職場以外での人生の時間をどう使うかが問われているのだと感じます。

海外に出ると、日本では当たり前のことが通じないことが多々あります。

そんな経験をすると、凝り固まった考えがほぐれたり、または全く新しい発想ができたり、なんてこともあります。

仕事に一生懸命というのは決して悪いことではありません。むしろ素晴らしいことだと思います。

ただ、働きすぎで家族と過ごす時間が足りていないと感じる方は、ライフワークバランス先進国、ニュージーランドをご家族と一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。


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