現金がなくなる!?NZが完全キャッシュレス社会になるのはいつ?
- キオラ!ロトルア
- 2018年8月17日
- 読了時間: 3分
先週、車のメンテナンスがありました。
メンテナンスが終わるまでの間の移動手段は「バス」です。

ロトルアの市内バス、ベイバスシティライド
日本のSuicaのような乗車カードでバスに乗れるのですが、この時の支払いは現金でしました。
紙幣を見た時にふと感じたのが「NZのお札って固い!」ということ。
実は、ニュージーランドの紙幣はプラスチック製で、これには偽造の防止や長持ちさせるなどの理由があります。
また、プラスチック製だとリサイクルできてエコですし、防水なので洗濯してしまっても大丈夫。
本当に合理的ですよね。

お札を伸ばそうとするとパリパリと音がするほど固い
さらにニュージーランドが合理的だと思うのはそのお札(現金)をほとんど使わない決済システムがあることです。
私はお店での支払いはエフトポスというデビット決済でしており、ネットでの買い物はクレジットカードで済ませています。
ですので、前回、いつ現金を使ったのかを思い出すことはできません。
ロトルアから車でおよそ40分のところに「ティラウ」という小さな街があります。

なまこ板(トタン)で作られたアートがかわいいティラウ市街の建物
ティラウには銀行だけではなくATMすらありません。
現金を引き出したい場合、最寄りの銀行(プタルル)まで約10km、車を走らせる必要があります。
ATMが全くないとちょっと不便な気もしますが、銀行の支店やATMの数は減っている一方で、オンライン取引やデジタル決済へのニーズは高まっています。
特に決済については、普及しているエフトポス(デビッットカード)以外にも、アンドロイドペイやアップルペイ、QRコード決済などのモバイル決済が広まってくるものと思われます。
NZ大手会計ソフト会社のMYOBは、顧客400社へ実施した調査結果から、NZは10年後の2028年には、全く現金を使わない「キャッシュレス社会」に移行していると予測しています。
現在でも現金をさほど必要としないので、この実現性は高そうに思えます。
ここでちょっと話をニュージーランドから「日本」へ移します。
日本の現金(貨幣)は日本銀行が発行していますが、その製造コストがどれくらいかかるかご存知でしょうか?
答えは約571億円/年間。
現金は製造するだけではなく、保管や流通させるハンドリングコストが発生しますので、現金を使う社会というのは毎年莫大な費用がかかるのです。
さらに、日本全国に20万台以上もあると言われる「銀行ATMの維持費」は現金の運搬代を含めるとなんと総額およそ2兆円/年にもなるそうです。

キャッシュレス化によっってそうしたコストが削減できれば、国や企業の負担が軽くなるだけではなく、人々の暮らしもより便利になります。
ニュージーランドは小さな国ですので小回りが利き、変化への対応が素早く取れるメリットがあります。
ニュージーランド旅行でお買い物をされる際、現地の人々の支払い方法をご覧になってみると日本との違いがお分かりになるかもしれません。